DX宣言

私たちのDXへの挑戦 ――
「根拠に基づくケア」を、この業界の当たり前に

なぜ、今DXが必要なのか

2040年代前半、日本の高齢者人口はピークを迎えるといわれています。その一方で、介護人材の不足はますます深刻化し、「支えを必要とする人」と「支える人」のギャップは、これからさらに広がっていきます。
国もまた、ICT活用を前提とした人員配置基準の見直しや、データに基づく「科学的介護(LIFE)」の実践など、デジタル技術を前提とした制度づくりへと大きく舵を切っています。
私たちは、この変化を脅威ではなく、大きな機会だと捉えています。データやデジタル技術の活用は、サービスの質を高め、ご利用者様のADL(日常生活動作)の維持・改善につながるだけでなく、職員一人ひとりの労働環境を根本から改善し、この業界で選ばれ続けるための力になる――そう信じているからです。
反対に、この変化に向き合わずにいれば、深刻な採用難や業務の非効率化を招き、事業を続けること自体が難しくなる。私たちはそれくらいの強い危機感を持って、DXに取り組んでいます。

私たちが目指す未来 ―― データ駆動型経営へ

深刻化する人手不足と、多様化する介護ニーズ。この2つの課題に向き合うため、私たちはデータとデジタル技術を経営の核に据えた「データ駆動型経営」へと進化します。
これまで経験や勘に頼ってきた介護のあり方を、誰もが納得できる「根拠(データ)に基づくケア」へ。それを特別なことではなく、この業界の当たり前にすることが、私たちの目指す姿です。
デジタル技術によって現場の生産性を飛躍的に高め、職員が「人にしかできない対人ケアや、心に寄り添う関わり」に集中できる環境をつくる。そうして、お客様と地域社会に「豊かな価値」を届け続け、このまちに「あって良かった」と言っていただける会社でありたいと考えています。
介護施設事業と福祉用具レンタル事業、その両方で積み上げてきたケアデータと最新のデジタル技術を融合させることで、経験だけに頼らない、科学的根拠に基づいた次世代の介護サービスモデルを確立していきます。

自社の戦略 ―― 3つの柱でカタチにする

私たちは、この考え方を実現するために、3つのDX戦略を推進しています。

1. 予兆を捉え、事故を未然に防ぐ ―― 予兆検知型ケア

施設にお住まいの方のバイタルデータ、見守りセンサーから得られる離床・睡眠のパターン、日々の介護記録。これらをクラウド上に集約し、リアルタイムで分析します。
データの変化から体調悪化の予兆や転倒のリスクを自動で捉えることで、科学的根拠にもとづいた個別ケアの最適化と、事故・重症化の未然防止につなげています。

2. 記録の負担をなくし、ケアの時間を増やす ―― 業務効率化・直接ケア時間の創出

現場での声を、AI音声入力システムでリアルタイムにテキスト化し、介護記録システムへ自動で連携・蓄積する仕組みを整えています。
転記や二重入力といった作業をなくすことで記録の手間を削減し、そこで生まれた時間と人の力を、ご利用者様お一人おひとりと向き合う時間へと再配分しています。

3. 地域とつながり、最適なタイミングで支える ―― 利用者トータルサポートの最適化

在宅介護をご利用の方の管理システムを核に、ケアプランのデータを地域包括支援センターやケアマネジャーの方々とデジタルでつなぎます。
ご利用者様の変化をタイムリーに把握し、その方の状態に合わせた福祉用具の選定やサービス提供を、「最適なタイミング」で実行する。地域に根ざした、頼りになるインフラでありたいと考えています。

私たちを支えるITシステム基盤

3つの戦略を実現するため、以下のとおりITシステム環境への投資を計画的に進めています。

  • 全入所施設・全居室に見守りセンサーを整備し、介護記録システムとシームレスにデータ連携できる環境を構築します。
  • AI音声入力システムやインカムなどを導入し、現場の記録をクラウド経由でリアルタイムに連携する環境を整えます。
  • 行政が推進する外部データ連携の仕組みにも参加し、在宅介護の管理システムと居宅介護支援事業所・ケアマネジャーとのデータ連携基盤を確立します。
  • 専門知識がなくても誰もがデータを活用できるよう、全社的な情報共有・分析基盤としてクラウド型のワークスペース環境を運用します。

全社を挙げた推進体制 ―― 人と組織でDXを支える

戦略を絵に描いた餅で終わらせないために、私たちは推進体制と人づくりの両輪でDXを支えています。
推進体制として、社長直轄の「インフラ・DX戦略室」を設置し、全社横断でデータ活用やシステム整備、迅速な意思決定ができる体制を整えました。各事業部・拠点には「DX推進者」を配置し、現場の課題を吸い上げて施策を定着させています。社長・役員・各部署責任者が参加する「DX推進定例会議」を定期的に開催し、進捗と成果を評価しながら、機動的に方針を見直しています。
人づくりにおいては、外部からの人材採用に頼るのではなく、既存の職員のリスキリング(学び直し)を通じた人材確保・育成を基本方針としています。「インフラ・DX戦略室」が中心となり、外部セミナーなども活用しながらDX推進者を育成し、システム担当者がマニュアル整備や研修を通じて現場のスキル定着を支え、本部と現場が一体となって、全職員がデータに基づく科学的介護を実践できる教育体制を築いています。

私たちの目標(KPI)

これらの取り組みの成果を客観的に確認するため、2028年度末を一つの区切りとして、以下の指標を掲げ、定期的にモニタリングしています。

  • 見守りセンサーとデータ連携により、重大事故(転倒等)の発生率を前期比20%削減する
  • 音声入力とシステム連携により、介護記録・事務作業にかかる時間を30%削減する
  • 削減した時間を、ご利用者様お一人おひとりと向き合う直接的なケアの時間に振り向ける
  • 外部機関とのケアプラン情報調整の時間を短縮し、データに基づく福祉用具のご提案とご満足度をさらに高める
  • 職員の働きがいや負担軽減についても、定期的なアンケートを通じて継続的に確認していく

経営者メッセージ

「根拠に基づくケア」を、この業界の当たり前に。
――デジタルの力で「人にしかできないこと」に向き合い、このまちに「あって良かった」をつくり続ける

少子高齢化が急速に進むなかで、介護福祉業界は歴史的な転換期を迎えています。高齢者人口がピークを迎えるとされる2040年代前半に向け、介護人材の不足は一層深刻化していきます。国の方針としても、ICT活用を前提とした人員配置基準の見直しや、データに基づく「科学的介護(LIFE)」の実践が急速に進んでいます。
これまでの延長線上の経営を続けるだけでは、お客様に選ばれ続けることはもちろん、事業を継続することすら難しくなる――私たちはそう強い危機感を抱いています。
だからこそ私たちライフ・テクノサービスは、データとデジタル技術を経営の核に据えた「データ駆動型経営」へと進化することを、ここに宣言します。私たちが本気で挑むのは、長く経験と勘に支えられてきた介護を、誰もが納得できる「根拠(データ)に基づくケア」へと変えていくことです。これを業界の特別ではなく「当たり前」にすることこそ、私たちの使命だと考えています。その実現に向け、デジタルの力で次の3つの価値を創り出します。

1. データを解析し、根拠に基づいた提案とサービスへ

介護記録システムや、在宅・福祉用具利用者の管理システムに蓄積されるデータを解析し、状態変化の予兆や事故のリスクを捉えます。一人ひとりに最適な福祉用具やケアプランを、経験則ではなく根拠をもって提案できる。これが、私たちが目指すサービスの質の核心です。

2. 「今までできなかったことが、できる」現場へ

デジタルがもたらす意味は、単なる効率化ではありません。これまで人手と勘では届かなかったところに、手が届くようになることにこそ本質があります。音声入力支援で記録の負担を軽くし、インカムやメッセージで職員同士がリアルタイムに状況を共有する。カメラ巡視や離床・見守りセンサーによって、訪室のタイミングや順番を根拠をもって判断し、より安全で安心な見守りを実現する。これらは、これまでの介護現場では成し得なかった新しいケアのかたちです。

3. だからこそ、「人にしかできないこと」に特化する

デジタルに任せられることは、徹底してデジタルに任せる。そうして生まれた時間と余力を、職員は人にしかできない関わり――お客様と向き合い、心に寄り添い、人の温もりを伝えるケア――に注ぎます。それが、お客様の「その人らしい生き方」を支える力となり、職員が誇りを持って働ける職場と、業界のなかで選ばれる採用力につながると確信しています。
テクノロジーがどれだけ進化しても、介護の根幹にあるのは「人と人とのつながり」です。データという確かな根拠と、デジタルという強固な土台の上に、私たちの強みである「人間力」を掛け合わせる。その先にこそ、ご利用者様とご家族、そして共に働く仲間が幸せになれる未来があると信じています。
私たちは、デジタルの力で人を支え、これからもこのまちに「あって良かった」をつくり続けます。ライフ・テクノサービスの新たな挑戦に、どうぞご期待ください。

2026年10月1日
株式会社ライフ・テクノサービス
代表取締役社長 中川 敬史